素材へのこだわり

◆素材の新鮮さを求める

日本料理は、素材の形、色、味、香りを生かした料理である。
料理に季節感を盛り込む配慮は、日本料理の特色である。
目を転じよう。ヨーロッパの冬は厳しい。 新鮮な肉や魚が手に入らないため、絶えず、料理の仕方を工夫し、無数のソースを作り、ソースの味によって料理を食べようとしてきた。 日本料理と対照的である。
また、西洋の料理人が、肉そのものの味を求めて、たとえば、コンソメ作りに、精魂傾けるのと、日本の板前が、季節感を盛り込んだ前菜作りに精魂傾けるのとを比べてみては、味覚が現実的である西洋人と、味覚が観念的である日本人との根本的な民族性の相違が認められる

◆水

わが国の水自身が、美味であるから、日本料理は、水の味をそのまま生かし、素材の味を壊さずに、 煮て調理する傾向がある。
一方、ヨーロッパの水は、イギリスを除き、まずく、飲用に適さない。
そこで、彼らのつくる料理は、水の味を生かすことのない、煮汁の味を濃厚にした料理である。 ここにも、日本料理と西料料理の違いを見ることができる。

会津の伝統野菜

◆会津の伝統野菜を使う

私たちはいつから、自然を消費して勝手都合で生きるようになったのか。
自然から生活が離れ、その都市の流行が全国を席巻する。
地方でさえ、足下の豊穣の大地がもたらすいのちの力を忘れて生きている。
人の便宜さよりも自然にこそ真摯に向かった農業がある。その農業を守らねばならぬと、思わせる現状がある。
100年で10センチつくられるという土で育まれた農作物の高き生命力。
長い年月を経た大地、その地の気候風土が自ら芽生えさせたいのちのかたちは芸術そのもの。 野菜の母とも言われる伝統野菜。洋種と比べると無骨だがどこか懐かしく体に馴染む和種野菜。 農作物は自然の営みに向き合う良き土づくりを何年積み重ねてきたか。これこそが真の価値。